7月5日にアメリカメジャーリーグシアトルマリナーズを訪問し、医療スタッフの視察に行ってきました。
シアトルチーフチームドクターDr.Albert Geeとは、肩脱臼の手術治療法が私と全く同じAAGRスタイルで行っており、自由に動く肩をコンセプトに、肩の治療方針について議論し、今後の共同データ収集、共同研究プロジェクトを行う発展形で進めていく形となりました。
Dr.Peltoは、手術以外の治療を担当しており、PRP注射の使い方などについて意見交換を行いました。
シアトルマリナーズには山本PTという日本人の凄腕PTがいて、チームスタッフからの信頼が抜群で、今回、試合前のメディカルケアの現場、治療の現場、また、ドラフト会議の舞台まで視察することができました。
いつか私の患者さんがシアトルマリナーズで活躍できるよう一人一人を大切に治療していきたいと思います。
野球の肘の怪我 UCL損傷予防

メンタルヘルス担当 Claire

メンタルヘルス担当スタッフもおり、睡眠の大切さ、食生活の大切さ、平常心でいかにプレーできるか、モーニングルーチン、打席に入る前のルーチン(イチローのルーチンは有名です)の大切さに触れました。ルーチンを意識するあまり、プレーにブレが出てしまうこともあり、個々に適した生活リズムを調整することが大切です。
日本人理学療法士:Yamamoto PT

医療スタッフからの評判がすこぶる良く、選手からの信頼もとても厚く、シアトルマリナーズでの日本人の立ち位置を押し上げている存在です。パフォーマーの理学療法を専門としており、私の仮説『肩を直すには体全体の調整から』に理解を示してくださり、体幹の大切さ、体全体の柔軟性、股関節の柔軟性、胸郭運動、肩甲骨運動の大切さを再認識しました。例えば球速やボールのスピン回転数は確かに大切ですが、一つのデータを改善しようと試みた結果、結果的に成績が落ちてしまうことも少なくありません。球速155km/hの投手と球速140km/hの投手を集めて100人同士の成績を比較すると、統計学的には球速155km/hの投手たちの方が成績が良いかもしれませんが、だからといって、ある野球選手の成績を良くするために、球速上げれば成績があがるか、というとそういうわけではありません。一つのデータに踊らされることなく、また、AIを信じすぎることなく、個々の特性に合わせた治療戦略が大切となります。
今回の訪問で一番の収穫はYamamoto PTとのディスカッションでした。
チーフチームドクター:Dr. Albert Gee

シアトルマリナーズの医療チームの責任者のチーフチームドクターで肩と肘を専門とするスポーツ整形外科医です。マリナーズの選手も彼の手術治療を受けられています。今回のシアトル訪問に伴い、彼の肩脱臼の手術を見させていただきました。肩脱臼の手術は、私と全く同じAAGRスタイルで行っています。Bone blockはiliac crest autograft、手術体勢はlateral decubitus position、カメラを体内に入れる5mmくらいの入り口(ポータル)の位置まで同じで、固定法もdouble end-button fixationで全く同じでした。最後の関節包を縫う医療機器の会社がArthrex社かSmith & Nephew社かの違いくらいでした。
Dr. Geeとはアスリートの肩治療や大学スポーツ治療の共同研究を行っていく方針で、発展形として進んでいくこととなりました。スポーツ整形外科チームの夕食会にも参加させていただき、多くのスタッフと治療方針について議論することができました。


Dr.Geeはワシントン大学スポーツメディカルセンターを管轄されており、診察現場も案内してくださり、エコーの充実や診察方針について確認することができました。
選手専用のアスレチックトレーニング設備、ミーティングルーム等大変充実しています。


シアトルマリナーズvsブルージェーズのゲームも拝見しました。マリナーズが勝利しました。🏆

今回のマリナーズ医療訪問で得た知見を、現場に活用し、より良い治療につなげていきたいと思います。


