フランス・アヌシーという街に肩関節鏡のライブサージュリー研修に参加しました。世界から35名が招聘され、実際にフランス人患者さんを手術する学会になります。肩の手術には、人工関節や腱板修復などがありますが、その中の肩脱臼の手術では、3名の外科医が手術を行いました。
1人目:Laurent Lafosse医師(Latarjet法のスクリュー固定術)
2人目:Pascal Boileau医師(Latarjet法のボタン固定法)
3人目:Ivan Wong医師(Bone block法:現在私が採用している方法)
私の肩関節手術の師であるIvan Wong先生が肩脱臼の手術を行うため、今回、そのサポートで参加しました。Laurent Lafosse先生の手術は豪快であり、例えるならば数学の問題を計算力で解答するスタイルでした。Pascal Boileau先生の手術は冴えたアイデア溢れた感満載であり、例えるならば数学の問題をお洒落な方法で一発解答するスタイルです。Ivan Wong先生の手術は一つ一つ基本を丁寧に滞りなく行い、例えるならば数学の問題を丁寧に一つずつ因数分解しながら解答するスタイルです。どの方法も素晴らしく解答に行き着きます。私の方法は、師Ivan Wong先生の方法を模倣し、一つ一つ基本に忠実に丁寧に行なっています(手術を受けられた全患者さんに手術ビデオを共有しています)。
また、よく学会で肩関節手術の質問をさせていただき大変有用なフィードバックをくださるDr. Savoie先生に今回もお会いし、日常の疑問点をぶつけ、知識をアップデートする良い機会となりました。

アヌシーの街は中世ヨーロッパのイメージで知識を整理するには良い場所でした。

休憩に近くのカフェで、Croissantを注文しました。クワサン(桑さん)と言うと出てきます。

師Ivan先生とは度々再開し、これからダルハウジー大学関節鏡部門と現勤務先のアレックスグループ(AR-Ex尾山台整形外科・さいたま整形外科・長野整形外科)との共同で、肩脱臼の臨床研究を行うことになりました。世界の肩治療スタンダードを取り入れるのみならず、世界に先駆けた肩治療を追求していきたいと思います。
