肩脱臼のリハビリテーションは、肩の筋力や可動域を回復させ、再発を防止するための重要なプロセスです。
- 初期段階(安定性の回復):
- 痛みや腫れの軽減のため、包帯やスリングを使用して肩を安定させます。
- 保護された状態で肩の可動域を維持するための軽度な運動を行います。
- 筋力トレーニング:
- 肩の周囲の筋力を回復するために、軽い抵抗を使った筋力トレーニングを開始します。これには、肩の外旋や内旋、上腕二頭筋、三角筋などの筋肉を対象とする運動が含まれます。
- レジスタンスバンド(チューブ)や軽い重りを使ってトレーニングを行います。ただし、痛みを感じない範囲で行うことが重要です。
- 可動域の向上:
- 肩の可動域を改善するためのストレッチや可動域運動を行います。これにより、肩の柔軟性が向上し、日常生活での機能が改善します。
- 肩の前方、後方、外旋、内旋などの方向に対するストレッチを行います。
- 機能トレーニング:
- 日常生活やスポーツで必要な動作に焦点を当てた機能トレーニングを行います。例えば、物を持ち上げる、物を運ぶ、投げるなどの動作を模倣したトレーニングを行います。アスリートでは、特に競技に特化した機能トレーニングが大切です。
- 予防と自己管理:
- 再発を防ぐために、肩の周囲の筋力や柔軟性を維持するための運動プログラムを定期的に続けます。
- 適切な姿勢や体力トレーニングを通じて、肩に過度の負荷をかけないようにします。特に肩脱臼後はScapula dyskinesiaになりやすく、肘や頸・腰に負担がかかりやすいので、Scapula dyskinesiaの改善も大切です。
リハビリテーションは患者の状態に応じて調整され、一人一人に特別なメニューが作成されます。医師と理学療法士のチームの指示に従い、リハビリプログラムを適切に実施することが重要です。