先日、日本肩関節学会(京都開催)に参加した理由

健康

2024年度日本肩関節学会が京都開催であることを知り、演題を投稿しました。その目的の一つは、師匠である山下文治先生(京都在住)にお会いするためでした。山下文治先生に現在、私に足りないこと、これから私が東京でよりアップグレードするために必要なことを伺いました。Complex regional pain syndromeが日常診療に多く隠れていること、治療に迷ったら診断のはじめから戻り振り返ること、手術は一つ一つの動作をていねいにきれいに行うこと、そして治療に難渋したらまた京都に来て再度アドバイスを聞きにくること。なかなか洒落たアドバイスで時々伺おうと思っています。

私がまだ研修医の頃、京都下鴨病院で、山下文治先生の99%の手術の助手を担当し見て学びました。また、私の骨折の手術の助手を山下文治先生が直接されるという平成の時代にそぐわない昭和的なマンツーマン指導でした。その頃の手術記録はすべてデッサン付きで私の本棚に宝として集積されています。当時の肩CCL再建術の手術記録です。当時は、まだOPENで行っていました(注:カナダDalhousieでDr.Ivan Wongに師事後は関節鏡視下に変更しています)。

山下文治先生には、京都サンガの会場ドクターなどの機会をたくさんいただき、また、英語論文も執筆し、特に、プロサッカー選手の第5中足骨の疲労骨折(通称Jones骨折:実はJones骨折は急性外傷に使用される後で第5中足骨疲労骨折はJones骨折と言ってはいけない)の英語論文をJournal of Foot & Ankle Surgeryに執筆したのは良い思い出です。その論文は、実は世界で初めて足関節の非荷重のレントゲン画像の撮影方法を説明した論文なのです(10度内旋させる)。

山下文治先生の最後の弟子から、Dr. Olufemi Ayeni(Journal of ISAKOS editor-in-chief)に弟子入りし、さらにはDr. Ivan Wong (Dalhousie, Halifax, Canada)に師事して、しまいには地球の東端まで到達しましたが、現在、日本にランディングし、林英俊理事長(体操パリオリンピック金メダリスト岡選手膝手術執刀医)率いるAR-Exスポーツ整形外科グループに加えていただき、主に肩脱臼を中心に充実した日々を過ごしています。

2023年7月までカナダ東海岸ハリファックスの地で、スポーツ整形外科医として勤務していました。ダルハウジー大学スポーツ関節鏡での経験を、特に肩、膝について中心にお話しいたします。その中でも、特に肩脱臼を一番得意にしています。

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